阪神の伊原投手は白星を手にしたものの、決して手放しで満足できてはいないはずです。5回2安打1失点。84球という球数だけを見れば、もう1イニング任されてもおかしくはなかっただけに、まだ首脳陣の信頼を回復しきれてはいないのでしょう。絶対にカード3連敗だけは避けたかった日曜日ゲーム。翌日に試合がないことを考えて、首脳陣は最初からリリーフ陣を総動員するつもりだったのかもしれません。それでも仮に村上投手や高橋投手であれば、6回もマウンドに上がっていた可能性は十分にあります。5回で代えられた悔しさを忘れてはいけません。

広島対阪神 広島に勝利し、タッチを交わす阪神伊原陵人(左)と藤川球児監督(撮影・前田充)
広島対阪神 広島に勝利し、タッチを交わす阪神伊原陵人(左)と藤川球児監督(撮影・前田充)

とはいえ投球内容は上々でした。前回8日の中日戦はどこかコントロールがアバウトで、ボールの高さも気になりました。それと比べて、今回は失投が少なかった印象です。

広島対阪神 5回裏広島無死、エレフリス・モンテロに本塁打を浴びた伊原陵人(撮影・前田充)
広島対阪神 5回裏広島無死、エレフリス・モンテロに本塁打を浴びた伊原陵人(撮影・前田充)

5回は広島先頭のモンテロ選手を追い込みながら左翼席に運ばれましたが、この1球はインサイド要求のストレートが少し甘く入ってしまったもの。打たれた原因がはっきりしているので、細部を詰めていけば修正できます。伊原投手は勝負どころで決めにいこうとしたボール、力んだボールが甘く入る傾向があります。どのような状況でもいかに冷静でいられるか。そんなポイントも今後の改善点になりそうです。

広島対阪神 2回裏を投げ終え、言葉を交わしながらベンチへ戻る阪神伊原陵人(左)と坂本誠志郎(撮影・前田充)
広島対阪神 2回裏を投げ終え、言葉を交わしながらベンチへ戻る阪神伊原陵人(左)と坂本誠志郎(撮影・前田充)

伊原投手は今季1軍で8試合に先発して、6イニングをクリアできたのが4月11日の中日戦だけ。直近の2試合はどちらも5回を持たずに降板しています。それでもこの日チャンスを与えられたのですから、首脳陣の期待は高いのでしょう。真夏からシーズン終盤に差し掛かる時期はリリーフ陣の疲労が隠し切れなくなるタイミング。次はなんとしても6回の壁を乗り越えてほしいものです。(日刊スポーツ評論家)