首位争いをする巨人にとって、なんとしても連敗は避けたい試合だっただろう。そして今試合の先発は“横浜キラー”の井上で、プロ入り通算9勝1敗で防御率は0・79。今季は5戦5勝と相性も抜群だった。
油断したわけではないだろうが、立ち上がりに痛恨の“ミス”が続いた。まず、井上はDeNAに対して無類の強さを発揮しているが、最大限に注意しなければいけない相手がいた。今季途中からチームに加入したエンカーナシオンで、井上とは初対戦だった。説明するまでもないだろうが、DeNAが浮上してきたのも、この新戦力のお陰と言っていい。好相性とはいえ、エンカーナシオンのいるDeNAは、今までと違うチームだという意識を持ってほしかった。
対戦前の注意点として、まずはエンカーナシオンの前に走者を出さないこと。しかし初回2死から3番の度会に四球を与えてしまった。今試合の球審はストライクゾーンが狭く、ストライクと判定されてもおかしくない球はあった。ただ、2ストライクに追い込んでからの四球で、投手の“ミス”といっていい四球だった。
さらに“ミス”は続いた。エンカーナシオンに対し、1-2と追い込んだあとフルカウントになった。ここでもストライクだと判定されてもいい球はあった。しかし2死でフルカウントになると、一塁走者は投手の投球動作とともにスタートを切る。ここは四球覚悟で、厳しいコースを攻めるべきだった。
エンカーナシオンの打球は、センターへのライナーだった。これを佐々木が飛び込んで、グラブに当てながらはじいてしまった。一塁走者は一気にホームイン。結局、両チーム唯一の得点を与えてしまった。
まだ初回であり、佐々木は無理に突っ込むべきではなかった。しかし記録はタイムリー二塁打。このプレーは井上の責任ではないが、このプレーの伏線を与えたのは度会への四球と、エンカーナシオンに対してフルカウントにしたこと。DeNAの先発は東で、そう簡単に得点できる投手ではないだけに、悔やんでも悔やみきれない立ち上がりになった。
一方のDeNAはヤクルトとの3位争いが熾烈(しれつ)になっている。首位争いするチームに、大きな連勝になった。(日刊スポーツ評論家)







