プロ野球番記者コラム

エリートが道具捨てる姿見て芽生えた上原の反骨精神

<とっておきメモ>

巨人の上原浩治投手(44)が20日、都内のホテルで会見をし、現役引退を表明した。

大体大時代の上原浩治(1998年5月23日撮影)
大体大時代の上原浩治(1998年5月23日撮影)

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フェンウェイパークのプレスルーム入り口には、ワールドシリーズで胴上げ投手になったレッドソックス上原が、高々と右手を突き上げる写真がディスプレーされている。

自らを「雑草」といって野球エリートでなかった男が世界一に上り詰めた。その写真を前に、大学の後輩というより、日本人として誇らしく思ったものだ。

今でも似たようなものだが、大体大野球部の予算は乏しく、遠征費も自腹、全国大会に出場してもバスを借り切る金がなく、全員が都営バスに乗り込んだこともあった。

有力大学のアスリートはプロ入りを見込むスポーツ用具メーカーからグラブ、バットなど、あらゆるものが支給の恩恵にあずかる。上原の反骨心に火をつけたエピソードがある。

全日本代表入りした試合後、エリートらが次々と手袋、アンダーシャツをゴミ箱に捨てて帰るではないか。道具は自前、プロより指導者養成が柱の大体大ではあり得ない光景だった。

こいつらには負けないという気持ちがふつふつと芽生えた。世界一軍団キューバの連勝を151で止めるなど、もっとも国際大会に強い男にのし上がった。今後は雑草が“花”を育てる姿も見てみたい気がする。【寺尾博和】

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