プロ野球番記者コラム

逆転劇呼んだソフトバンク甲斐の「泥くさいヒット」

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム:CATCH!!>

<ソフトバンク5-4西武>◇7月31日◇ペイペイドーム

ソフトバンク対西武 3回裏ソフトバンク1死、甲斐は三塁内野安打を放つ(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対西武 3回裏ソフトバンク1死、甲斐は三塁内野安打を放つ(撮影・梅根麻紀)

開幕ダッシュに失敗してうつむき加減だったソフトバンク工藤監督は言った。「月が替われば、ツキも変わる。頑張りましょう」-。ちょうど1カ月前。敵地・札幌で日本ハムとの初戦を引き分けた後だった。直前の所沢遠征では2勝1敗から3連敗。借金3の痛手を負っての札幌入りだった。

確信があったわけでもなかろうが、チームはそこから上昇気流に乗った。7月は18勝9敗。Bクラスからいつの間にか順位を上げるとがっちりと首位をキープしている。37試合を終えて21勝15敗(1分け)。昨年は37試合消化時点で21勝14敗(2分け)だから、ほぼ同じような戦績でシーズンを走っている。マラソンで例えるなら15キロ付近か。一気に抜け出す気配すら漂い始めた。

今季の課題とした「得点力アップ」。自慢の1発攻勢だけでなく「つなぐ打線」が機能し始めた。この日の攻撃は象徴的でもあった。13連勝中の西武ニール相手に3回、3点差を追いかけ柳田の四球を挟んで長短5連打でひっくり返した。起点になったのは1死後の甲斐の内野安打だった。三塁前のボテボテのゴロが一気逆転劇を呼び込んだ。アウトにこそなったが、7回、三遊間への打球で甲斐は懸命に一塁へヘッドスライディング。泥くさいくらい必死な姿は何よりベンチのムードを高めるものだ。この日、3本のアーチが飛び出したように確かに「山賊打線」の破壊力は大きい。だが、勝負の分かれ目は意外に甲斐の一打のような「泥くさいヒット」に隠れているように思う。いよいよ夏本番の8月。この流れ、ツキは変えたくない。

【ソフトバンク担当 佐竹英治】

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