同期との“縁”に背中をソッと押された。DeNAに入団した宮国椋丞投手(28)が、3月31日のイースタン・リーグの古巣巨人戦(平塚)で、移籍後初のマウンドに上がった。真新しい背番号「106」のユニホームに袖を通し、2回を3安打1失点。両チームのファンから温かい拍手が送られ、投げられる喜びを全身でかみしめた。

「106って、沢村?」。試合前の練習中、巨人のチーム関係者から突っ込まれ、ハッとした。背番号の「106」は昨年、沢村(現レッドソックス)がロッテ移籍後初登板時にユニホームが間に合わず、拝借した福嶋打撃投手の番号だった。「ビックリした」と周囲からの指摘で初めて気付いたが、不思議な縁を感じた。

宮国は、沢村が1位指名された10年ドラフトで2位指名された。同期は育成選手を含め12人入団したが、今も現役のプロ野球選手は2人。互いの存在は特別で、巨人から戦力外通告を受けた際は電話で励まされ、昨年の12球団合同トライアウトでは神宮球場に直接足を運び、応援してくれた。同期の絆を胸に、支配下登録を目指す。【久保賢吾】