<ソフトバンク3-2楽天>◇29日◇ペイペイドーム

逆転勝ちを見届けたソフトバンク王球団会長の足取りは軽かった。「いやあ、やっぱりホームランは大きいねえ」。左拳を作って笑顔で球場を後にした。

楽天先発の岸を攻略できず、8回まで2点が重くのしかかったが、岸降板を機に近藤が値千金の11号逆転3ラン。「あそこで打てなくても責任は問われないんだから」。王会長はそうも付け加えていた。

リーグ戦再開後のチーム浮上に向け、ターニングポイントになる1戦だった。敗れれば4カードぶりのカード負け越し。最下位楽天に勢いを止められるわけにはいかなかった。26日は東京ドームで初戦を落とした。「鷹の祭典」と銘打つ恒例イベントで黒星発進。試合を見守った王会長も福岡に戻って悔しげに試合を振り返っていた。いや、今チームに欠けている勝負への執念を再認識させたかったのかもしれない。

2戦目の練習中、王会長は言った。

「投手は攻めないと。投手は先手なんだから。先手が攻めなかったらどうしようもない。打たすもんか、という気持ちでね。打たれたらどうしよう、という気持ちではダメなんだよ。打者だって、打席に立ってアウトになったらどうしようと思っちゃダメ。俺が決めるんだ、という気持ちじゃないとね。ウチの選手はちょっとそこが弱いかな。打たれても、打てなくても責めることはないんだから」

8回の1イニングを無失点に抑えた新人大津が2勝目を手にした。ビハインドの展開も冷静に大胆に投げ込んだ。「毎試合、0点に抑えることしか考えていない。自分の投球をアピールしようと思って」。近藤の1発もさることながら、王会長の望む「攻め」の気持ちが白星を呼び込んだ。【佐竹英治】