最初に断っておきます。私の開幕前の順位予想で中日は優勝でした。

さて、今年の中日は打てません。去年はチーム打率2割6分3厘でリーグトップでした。ストロングポイントとして、今年も計算できると踏んでました。まず、7月上旬にアルモンテが戦列を離れ、数日後には高橋が左足を痛めて離脱。下旬には平田が故障で登録を外れました。

シーズンを通して率を残してきたのは大島とビシエドくらいでしょう。メンツはそろいつつありますが、まだ層が厚いとは言えません。その中で、レギュラークラスに故障者が出ると、カバーしきれないのが現状です。新人の石川昂や、2年目の根尾を昇格させましたが、未知数の若手を試さざるを得ないという時点で苦しかったですね。

投手陣でも岡田を抑えで起用したものの結果が出ず、福、祖父江、R・マルティネスの形が整ってから落ち着いてきましたが、この流れがはまるまでに時間がかかったのは、首脳陣からすれば誤算だったと感じます。

出足でつまずきましたが、8月中旬以降は打線もつながり、エース大野雄にもエンジンがかかりはじめ、3位に浮上。この時は「これこれ、この中日を待ってたんだ!」と。それまで肩身が狭く、丸まっていた背中がシャキーンと伸び「いけるんちゃうか!」と、ほくそ笑んでいました。

でも、そこから突き抜けて巨人に迫る力はなかったですね。チーム打率2割4分、本塁打44本はリーグ最下位。3位に浮上後、さらに再加速とはなりませんでした。

外国人捕手のA・マルティネスや、ロドリゲスと新人郡司のバッテリーで巨人打線を2試合連続で抑えたことなど、話題はありました。しかし、組織として故障や打線の不調を補うような編成での動き、首脳陣の選手起用はできなかったということです。また、与田監督が7月のヤクルト戦で野手を使い切り、サヨナラ機に代打に投手三ツ間を送ったことも話題になりました。

7月7日ヤクルト戦、10回裏中日2死満塁、代打で登場するも三振に倒れた三ツ間
7月7日ヤクルト戦、10回裏中日2死満塁、代打で登場するも三振に倒れた三ツ間

現在は借金6で4位に沈んでいます。開幕直後に優勝予想をして背中を丸めていた私は、一時だけ胸を張った瞬間がありましたが、秋を迎え、気が付けばまたうなだれ気味です。予想の難しさを痛感するとともに、中日は全体としてバタバタしながらシーズンを送ってきた感が否めません。

つまり、不具合が出ると突貫工事でその場をしのぐだけで、先を見据えた補強や準備はできていません。こうした総括は客観的な目でしていますが、その一方で、投打がまとまったら優勝いけるんじゃないかと思って仕方ないと、自分をなぐさめる感情もどこかにあります。もっと、深く、多角的に分析しないといけませんね。精進します。

あと43試合。何としてもAクラスに入って、中日はこんなもんじゃないってところを見せてくれないと。それが来年への重要な足掛かりになりますから。(データは17日時点、つづく)

里崎智也氏
里崎智也氏

◆「里崎チャンネル」は19年3月からスタートして順調に登録者数(約36・5万人=16日現在)を増やしてきた。袴田彩会アナウンサーとの掛け合いも好評。