今年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、6年ぶりに開催される。日本は09年の第2回大会以来14年ぶりの優勝を目指すが、徐々に権威が上がってきた大会に、ライバル国も多士済々だ。日本の前に立ちはだかりそうな国や地域を紹介する。

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WBCで連覇を狙う米国の野手陣は、主将トラウト(エンゼルス)の呼び掛けが奏功し、強力メンバーが集結した。ア・リーグ本塁打記録を更新したジャッジ(ヤンキース)こそいないが、オールスター級選手がずらりと名を連ねる。球宴出場経験がないのはスミス(ドジャース)と新人のウィット(ロイヤルズ)の2人だけだ。

WBC米国代表の予想野手
WBC米国代表の予想野手

ポジション的にも打順的にも穴がない。発表された野手12人の昨季合計本塁打は314本で平均26本という重量打線。打線の中軸となりそうなのは、昨季119試合で40本塁打のトラウトに、40本塁打でナ・リーグ打点王のアロンソ(メッツ)、ナ・リーグMVPのゴールドシュミット。30本塁打のアレナド(ともにカージナルス)も控える。どの選手も長打を打てるだけでなく、安定感も兼ね備える。

重量打線を組むとスピードを欠きがちだが、その点も心配ない。1番候補筆頭のベッツ(ドジャース)は35本塁打しながらも8年連続2桁盗塁。ムリンス(オリオールズ)、ウィットと昨季30盗塁以上が2人いる。さらに捕手のリアルミュート(フィリーズ)さえも21盗塁している。日本の鳥谷が13年大会の台湾戦で決死の盗塁を決めたように、短期決戦では機動力を絡めて1点を取りに行く必要がある場面も出てくる。こうした期待にも十分、応えられるメンバー構成となっている。

守備位置も、同じポジションのスターを集めてから他にはめ込むのではなく、当初から本来の位置で出場できる。捕手のリアルミュート、一塁のゴールドシュミット、三塁のアレナド、外野のベッツとタッカー(アストロズ)はゴールドグラブ賞経験者。特にアレナドは、イチローと並ぶ最長タイのデビューから10年連続受賞というMLB史上でも有数の名手だ。

この他、昨季46本でナ・リーグ本塁打王のシュワバー、11年総額3億ドル(約405億円)でドジャースから移籍したターナーのフィリーズコンビも参戦の意向が報じられている。フィリーズからは21年MVPの主砲ハーパーが故障で辞退の見込みだが、両選手が参加すれば十分にカバーできる。

米国は「ALL IN(みんな入る)」を合言葉に、野手は隙のない、史上最高ともいえるメンバーが集まった。野球発祥の国としての威信をかけて、第1、2回大会の日本以来となる連覇を本気で狙っている。【斎藤直樹】(つづく)