名門復活に向け、環境面が強化された。22日、メイン球場の改修が終了した沖縄水産で新球場の完成式が行われた。現役部員、学校関係者、OBらが参加。始球式を務めたのが、90、91年夏の甲子園で準優勝した元巨人の大野倫さん(45)だった。同じく準優勝メンバーで91年は主将だった屋良景太さん(45)が打席に立ち、ボールを投げた。

 改修されたグラウンドは外野に天然芝が張られ、ネットも新調。球場の広さはセルラースタジアム那覇と同じ大きさ(両翼100メートル、中堅122メートル)に拡大された。大野さんは「すごくいい球場だなと。僕らの時からグラウンドが2面あって、日本一の環境だと思ってましたが、ここは本気で甲子園を狙える環境だと思います」と話した。

 名将・栽監督に導かれ、夏の甲子園で2度の準優勝を誇った強豪校が、98年夏以来、甲子園から遠ざかる。それでも、16年秋から糸満高で巨人宮国椋丞、DeNA神里和毅らを育てた上原忠監督が就任。91年の準優勝メンバーの屋良さん、末吉朝勝さん、野原毅さんの3人も外部コーチで指導に携わって、復活をサポートする。

 91年のメンバーで現チームの知念龍星主将(3年)の父直人さんは、完成式に出席。「選手には素晴らしい環境に感謝の気持ちを持って、甲子園を目指して頑張ってほしいです」と夢を託した。現チームは今春の県大会で8強入り。優勝した未来沖縄に3-9で敗れたが、復活に向けた兆しが見えた。

 現在、チームには大野さんが監督を務めるうるま東ボーイズの選手も所属する。完成式で、かつての教え子を叱咤(しった)激励した大野さんは「この素晴らしい環境で一生懸命練習して、甲子園を目指してほしいです」とエールを送った。【久保賢吾】

沖縄水産の新球場で始球式を行った同校OBの大野倫さん(提供写真)
沖縄水産の新球場で始球式を行った同校OBの大野倫さん(提供写真)