野球手帳

東大野球部ピンチ 新歓禁止で1年生マネ志望ゼロ…

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困った時こそ、人の情けが身に染みる。東京6大学の東大野球部でマネジャーのリーダー「主務」を務める玉村直也さん(4年=渋谷教育幕張)は「引退しても協力していただける。ありがたい」と喜んだ。先月末。昨年の主将で、今は法科大学院を目指し勉強している辻居新平さんが「拡散していただけたら」と、自身のSNSに野球部の「マネジャー募集」を載せたことへの感謝だった。

東大野球部の4年生マネジャーコンビ。玉村主務(左)と松田副務(東大野球部提供)
東大野球部の4年生マネジャーコンビ。玉村主務(左)と松田副務(東大野球部提供)

東大野球部がピンチに見舞われている。4日現在、マネジャー志望の新入生がまだ誰もいないという。いつもなら、3月末の入学手続き日に各部、各サークルのテントがキャンパスに列をなす。通称「テント列」で、興味を持ってくれた新入生と連絡先を交換。練習見学や食事に誘い、地道に野球部の魅力を伝え、マネジャーになってもらっていた。だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テント列が中止。直接会っての新入生勧誘(新勧)は禁止された。待つしかない現状だ。

マネジャーの仕事は多岐にわたる。日程調整、連盟業務、備品管理、PR活動、報道対応等々。今は男女4人ずつ計8人で支えるが、このままだと先細りしてしまう。「男子は選手が引退してマネジャーになれますが、女子は新勧で誘うことがほとんど」と玉村主務。女性目線の細やかなサポートは欠かせないという。

玉村主務は1浪した。現役合格していたら、入部のつもりはなかった。だが、高校の同期が野球を続けるのを見て、再び情熱が湧いた。「野球は下手なので、チームに役立つにはマネジャーだ」と門をたたいた。現在、野球部は活動自粛が続く。主務になった途端に難題だらけだが、表情は明るい。5月開幕を目指す今春リーグ戦で、17年秋からの連敗ストップを狙う。東大野球部の魅力を問われ「圧倒的な差がある相手に対し、必死に努力し、神宮という舞台で挑戦できる。勝つために、チーム全員が同じ方向を向いている。組織力が魅力です」と答えた。その一員に、引退した先輩も、マネジャーもいる。【古川真弥】

 野球をこよなく愛する日刊スポーツの記者が、その醍醐味、勝負の厳しさ、時には心が和むようなエピソードなど、さまざまな話題を届けます。

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