世の中の多様化によって、言葉もだんだん変化して来ている。

高校野球地方大会の現場で「ボールパーソン」という言葉を耳にすることが多かった。「ボールボーイ」の方が耳なじみのある人も多いだろう。現在、日刊スポーツではどちらの言葉も使われているが、高校野球の記事で「ボールパーソン」が使われるようになったのはここ数年。マネジャーなどの女子部員が務めることも増えてきたことが理由だろう。甲子園では17年春から認められている。

そんな「ボールパーソン」のように試合に出場せずチームを支える部員も、もちろん選手と同様の思いを持って大会に挑んでいた。

高取国際(奈良)はマネジャーの中谷穂里(みのり)さん(2年)と福峯琴那さん(2年)がボールパーソンを務めた。初戦ではサヨナラで一昨年秋以来の公式戦勝利。試合後選手とともに2人も涙を流した。中谷さんは「全然勝てていなくて、大会とかで初戦負けだったので、めっちゃうれしかった」と感動。福峯さんは「できるだけのサポートがしたい」と語っていた。松村泰毅監督(34)は「マネジャーが試合の時は放送もするし、ボールパーソンもするし、スコアも書くし、相手校の指導者さんの対応もしてくれるし、すべてを握っている。私の中では一番信用しているから、選手が余ってもマネジャーに行ってもらいたい」と明かした。

金光大阪の横井一裕監督(49)がチームの「精神安定剤」と評し「周囲をすごく見ている」と話すのは沢木柊護さん(3年)だ。ベンチ入りは逃したが、今春もボールボーイを務め、選手の総意で、開会式では校名の書かれたプラカードを持ち行進を先導した。大会前には「去年ボールボーイをしていた先輩の姿を見て、試合の日だけじゃなくて、練習などから、もう登録メンバーからは外れているんですけど、自分がメンバー以上にやることによって、『メンバーはもっとやれよ』みたいな姿だったり、引っ張っていく姿というか、誰よりも全力で走るとか、一番にグラウンドに出るとか、そういう姿を見ていて、すごく憧れて尊敬していた。自分がその立場になって、自分もそういった姿を見せられるように。支えるというか、ここから自分も本気でやっていく」と語った。練習では言葉どおり、大きな声を出すなどして、選手を鼓舞し続けていた。

選手、控え部員、マネジャー、監督、部長、コーチ、保護者ら全員で戦っていることも高校野球の大きな醍醐味(だいごみ)。試合の勝ち負け以外にそれぞれがそれぞれの役割で学ぶことや感謝するも多いだろう。【塚本光】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)