DeNA対阪神 片手でボールを4個持つ阪神ジョンソン(撮影・横山健太)
DeNA対阪神 片手でボールを4個持つ阪神ジョンソン(撮影・横山健太)

「7失点」で苦しんだ先発オネルキ・ガルシアが「7得点」に援護されて阪神移籍後初勝利を初完封で飾るとは。野球の神様はなかなか粋だ。真夏並みの暑さの中、午後1時開始のデーゲーム。母国キューバの太陽を思い出したかどうかは分からないが好投だった。

ニュースは朝から首相・安倍晋三と米大統領ドナルド・トランプが千葉でゴルフをした話で持ちきり。夜は両国国技館での大相撲千秋楽に姿を見せた。「ごっつ、べんちゃらしてるな」という率直な感想だ。

同時にこんなことも思った。野球観戦もすればいいのに、と。この日は東京ドーム、神宮球場、そして阪神が戦った横浜スタジアムとセ・リーグすべてが京浜地区での試合。パ・リーグもZOZOマリン(千葉)メットライフドーム(西武)と、実にNPB5試合が関東圏での開催だった。

大統領は昔、野球をしていたらしい。いっしょにビールでも飲んで「あいつはいいチェンジアップを投げる」とか「なかなかのラインドライブだ」などと話をすれば盛り上がったはず。試合前の練習を見ながらそんなことを思っていると米国出身のピアース・ジョンソン(PJ)が前を通ったのでそんな思いを話してみた。雑談である。

PJ 大統領が来ているんだってね。相撲を見にいくのか。野球にも来てほしいよねって? イグザクトリー(その通り)! ベースボールはベストだよ。

明るい笑顔で言ったのはこんな内容だった。ここまで防御率0・77が示すようにブルペンの柱になっている右腕。日本になじもうと来日1年目ながら日本語であいさつする。かつてのマット・マートンを思い出させるナイスガイだ。

「ベスト」というほど野球好きのPJだがこの横浜3連戦では登板がなかった。なにしろ直前のヤクルト3連戦で3連投。今回の3連戦初戦の24日はベンチにも入っていなかった。

「入れなかったのは1戦目だけですけどね。でもPJを使わずに勝てたのは大きい。彼にとってもいい休養になったと思う」。ブルペン担当の投手コーチ金村暁はそう振り返った。

28日からは甲子園で巨人と3連戦。そして広島マツダスタジアムに移動して交流戦前ラストの3連戦と大事な1週間だ。ここでPJを温存できたのは確かに大きい。虎党、そして日米友好のためにも? 好調を持続してほしい。(敬称略)

DeNA対阪神 阪神大山(中央)からウイニングボールを受け取るガルシア(右)(撮影・横山健太)
DeNA対阪神 阪神大山(中央)からウイニングボールを受け取るガルシア(右)(撮影・横山健太)