ひいき目でなくとも阪神の宜野座キャンプはいいムードだろう。新指揮官・岡田彰布を迎え、前向きな緊張感が漂っている。それに伴って激しい定位置争いも続いているし、それこそ「アレ」に向け、視界は悪くないと言っていいと思う。

しかし、いいことばかりではない。失策である。この試合、先発の一角と期待される西純矢が登板した6回。先頭の知野直人が放った二ゴロを渡辺諒がトンネル。もちろん、失策が記録された。

快調に見えるこのキャンプだが、やはり長年の課題である失策は続いている。2月11日の紅白戦2試合で小幡竜平が2つ。こちらは少々、意味合いが違うかもしれないが外野でミエセスも落球した。さらに12日の紅白戦では渡辺諒。そして現岡田政権になって初の対外試合となった15日・楽天戦(金武)では木浪聖也が送球エラーをおかした。

つまり、ここまで、すべての実戦で失策が出ていることになる。もちろん練習の時期でどうこう言うことはないかもしれないが、感じるのは、監督が代わり、コーチが代わってもすぐ改善できるものではないのか、という気持ちだ。

「そうですね。そりゃあ簡単には減らないですよ。渡辺にしても硬いよね。宜野座は甲子園と同じ土のグラウンドなんだから、しっかりしないと。(日本ハムの)人工芝でやってたし、やっぱり慣れていないんでしょ。どうするって言ったって、そりゃあ、やるしかないでしょ。練習を続けて。やるだけですよ」

新たに内野の守備コーチとして招かれた馬場敏史はそう話した。サブグラウンドでのノックなどで自身のユニホームは真っ黒になっていた。同じく守備コーチである藤本敦士と打ち合わせ、相談をし、守備力アップを図る日々だ。

岡田の目指す野球は難しくない。独特のキャラクターと相まって、面白いことを起こしてくれそうな期待もあるが、すでに知られる通り、投手を中心に守りを固める王道スタイルだ。そのためにも当然、守備は重要。この2月に徹底して、そこを鍛えるしかない。

以前にも書いたが馬場は「練習でやれなければダメ」と話す。その意味では、ここまで理想的な状況にはなっていない。19日も宜野座で実戦が予定される。もちろん練習の時期。それでもビシッと締まった守備を見て、さらに期待を高めたいと思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

打球を落球する阪神ヨハン・ミエセス(2023年2月11日撮影)
打球を落球する阪神ヨハン・ミエセス(2023年2月11日撮影)