先日、出掛けたゴルフのスコアは「105」。100を切れば喜ぶ程度の腕前なので普通だけど、そんなラチもないことが突然浮かんだのは村上頌樹の好投を見たからだ。8回を終えて89球無失点。いわゆる「マダックス」達成か-と思った。「100球未満での完封勝利」を大リーグの名投手にちなんでそう言う。
「いやいや、もう、今日は最後までなあ。ちょうど100球でいくんちゃうかな言うとったけどな」。ゴルフ好きの指揮官・岡田彰布もそう話していたようだが、とにかく褒めるしかない好投だろう。
村上と好投手・高橋宏斗の対戦。注目していたのは1番・近本光司の様子だ。最初の打席、どう出るか。そこに“ある予想”を持っていたのだが、それは当たった。近本はフルカウントまで粘り、二ゴロに倒れたが高橋に粘って8球を投げさせたのだ。1人の打者に8球はこの日、23人を相手にした高橋の最多である。
これは昨季までと違うスタイルかもしれない。昨季は3番を打つことも多かった近本。比較は難しいが「好球必打」で初球からでも打って出るタイプの打者だった。だが1番に固定されている今季は、それと同時に球を見極めることも大事にしている。
ここまで18試合で選んだ四球は13個。ヤクルト村上宗隆にトップは譲っているものの1~2試合に1つは選んでいる計算だ。昨季までの四球数を見れば、その違いが分かる。
19年 142試合で31 20年 120試合で30
21年 140試合で33
22年 132試合で41
多くて3試合に1つだったのが、現状、増えている。この点についてオープン戦の頃、近本は「そこは意識しているところです」と話していた。野球の常識、スタイルは変わってきているけれど、まず1番打者が相手先発になるべく多くの球数、球種を投げさせて打線全体の手本になる-というのは基本だろう。特に好投手が相手のときは。
近本だけではない。チーム自体のチーム四球数は8回の中野拓夢で「64」になった。これはリーグ・トップ。いつも書くが「1点を大事にする守りの野球」を掲げる岡田にとって四球は重要な要素だ。最後まで四球を出さなかった村上はその面でも評価される。正直ガンガン打線が暴れる試合も見たいが、この勝利、1つの「岡田スタイル」かもしれない。(敬称略)
【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




