「1個も負けられへんでえ」と言っても、相手のあること、ずっと勝ち続けるわけにはいかないのだ。残り10試合になった時点で、ここでは勝手に「猛虎 運命の十番勝負」と名付けたが、その2戦目、DeNA戦は豪快に負けた。

「3回で終わりや。もう」-。指揮官・岡田彰布はあきれたように話した。ハッキリ言ってベテランの背信投球がすべてだったかもしれない。先発・西勇輝は3回をもたず、5失点でKO。これは逆転ムードに水を差してしまう…。そう思ったが現在の阪神打線は簡単には沈黙しない。

5回までに5得点し、派手な打ち合いの展開に持ち込み、センターから左を黄色に染めたファンを喜ばせたのだ。もっとも惜しかったのは虎番記者の記事でも触れているように“9月スペシャル”として起用したビーズリーだろう。

前日、指揮官・岡田彰布自らがビーズリーの中継ぎ待機を明かしていた。「(ブルペン入りするのは)もう、そら、分かってる。何勝したん? 8勝したんか。たいしたもんやで」。そう話し、先発投手としての貢献を評価。最後の戦いの重要なピースとしてロングマン的位置づけでブルペンに入れたのだ。

そして、この日、すぐに出番がきた。5-6と1点差に迫っていた6回裏に5番手で登板。ここでビシッといければよかったが結果は出なかった。6回こそ無失点で切り抜けたが7回、筒香嘉智に2ランを浴びるなど3失点。終わってみれば6-9なので、この3点は相当、痛かった。

もちろん、それだけではない。西勇は言うまでもなく、追い上げムードの4回裏に3番手・島本浩也が四球から1失点したのも響いた。さらに言えば中野拓夢、佐藤輝明の沈黙も敗戦の要素だろう。それでもここまで来れば、もう、負けは負けでしかない。

マツダスタジアムでは首位・巨人が広島を圧倒。巨人と阪神のゲーム差は「3」に開いた。逆転連覇は元々、苦しいが、さらに厳しくなったのは間違いない。土俵際なのは言うまでもない状況だ。

それでも22日からは最後の直接対決2試合が残る。そこに楽しみをつなげるためにももう負けてはいけない。21日、DeNAに勝つしかないのだ。3位に浮上し、勢いづくDeNAとはこれで10勝10敗1分けの五分になった。ここで負け越している場合ではない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)