「明日なき戦い」だ。あと1つ負ければ25年が終わる。日本一の可能性はかなり少なくなった。ここから3連勝することは、今、想像できない。それでもやることは1つ。まず、甲子園で1勝。それだけだ。
流れが悪い。先発・高橋遥人を打球が直撃し、降板。第2戦での岩貞祐太同様のアクシデントだ。ジリジリした展開で8回に2得点したが届かない。振り返れば6回2死二塁で代打・近藤健介と勝負し、適時打で3点目を失ったのが響いたのか。結果論だが球界を代表する打者を相手に、四球も念頭に冷静に勝負していればどうだったか…とは思ってしまう。
前日同様、ミスをしているのはソフトバンクの方だ。3回、栗原陵矢の失策やファウルフライを捕手、三塁手が2度まで落とす場面も。本拠地がドーム、パ・リーグが屋内球場が多いこともあるのだろうが、正直、プロらしくない。
その相手に勝てないのだ。前日も書いたがシーズン中にはあまり見られなかった光景だろう。それがセ5球団とパ王者の違い…と言えばそれまでだが、どうにもモヤモヤする。
勝てない理由の1つとして挙げられるのは沈黙する下位打線だろう。シリーズ4試合で上げた阪神の全6得点はすべてクリーンアップが上げたもの。打力の違いがあるから当然と言えば当然だが、強かったときの「恐怖の下位打線」的な気配がない。
ズバリ、第5戦の遊撃は木浪聖也でいったらどうだろうか。小幡竜平が悪いわけではないし、前日の第3戦で内野安打も放った。それでも、どうにもソフトバンク投手の球に押されている気はする。
「木浪が小幡より打つのか」と問われれば、それは分からない。だが現状で流れを変えるのはそこしかないと思う。この4試合、代打で出塁しているのは四球とはいえ、第3戦の木浪だけだ。DeNAとCSファイナルは熊谷敬宥から小幡、そして木浪と遊撃手を全試合で替えたがシリーズは固定している。
指揮官・藤川球児には自身の考えがあると思う。それでもクリーンアップは動かせないし、坂本誠志郎のリードを信頼しているなら、変えるところはそこだという気はする。「明日まず1つ取りにいく。これしかないんで。やります」。球児はそう言った。そう、やれることは全部、やる。それしかない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




