大阪では、履正社が6年ぶり3度目の切符を手にした。

 履正社・寺島成輝投手(3年)の18歳最初の勝利が、甲子園を決める1勝になった。「人生で一番うれしいです」。前日7月30日が誕生日。自己最速タイの149キロ速球を軸に3安打12奪三振完封勝利。「勝って泣いたのは初めて」とうれし涙をぬぐった。

 初戦で宿敵・大阪桐蔭と対戦した昨夏、先発を託された。3年生の主力が寺島を推し、岡田龍生監督(55)も「寺島で」と決めた一戦。だが勝てなかった。昨秋の近畿大会府予選3位決定戦で阪南大高に0-1で敗れた試合も、成長につながった。無失点の大事さを知り、下半身を鍛え、体幹を強化し、リリースの瞬間だけ指先に力を入れる投球フォームを身につけた。

 前回出場時の6年前は現ヤクルトの山田を擁していた。その山田のように、中心選手の重圧をはねのけた。「150キロを出したい。たとえば横浜の重量打線に通用するのか。優勝を狙いたいです」。高校最後の夏、寺島が甲子園にたどり着いた。【堀まどか】

 ◆履正社 1922年(大11)に大阪府福島商業学校として創立した私立校。83年から現校名。生徒数は1268人(女子411人)。野球部は開校と同じ22年創部、部員53人。甲子園出場は春6度、夏は今回で3度目。主なOBはT-岡田(オリックス)、山田哲人(ヤクルト)。所在地は大阪府豊中市長興寺南4の3の19。小森重喜校長。

◆Vへの足跡◆

1回戦18-1関大第一

2回戦7-0汎愛

3回戦10-0茨木

4回戦11-1東大阪大柏原

5回戦2-0大体大浪商

準々決勝8-1浪速

準決勝11-1桜宮

決勝12-0金光大阪