16年ぶり3度目の夏の甲子園切符をつかんだ波佐見(長崎)の立役者は、川口侑宏一塁手(3年)だった。延長10回1死一塁で左翼へ大きな勝ち越し2ラン。「状況、そしてカウントから、あの球が来ると思っていました」と内角高め速球を見事にとらえた。8回まで快打がなかったため、得永健監督(48)は6番打者の川口を「代えようかと思った」という。しかし7回裏に好守備を見せたことで吉兆を感じ取り、使い続けた。その結果の殊勲打だった。得永監督は「長崎県はまだ夏の甲子園優勝がない。それを目指します」とチームの勢いを感じ取った。

 ◆波佐見 1977年(昭52)創立の県立校。生徒数は445人(女子204人)。野球部は79年に創部。部員数63人。甲子園出場は春1度、夏は3度目。OBに阪神松田ら。所在地は長崎県東彼杵郡波佐見町長野郷312の5。安藤嘉朗校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦5-1長崎西

3回戦15-0西海学園

準々決勝5-4創成館

準決勝9-2瓊浦

決勝4-2清峰