来春3月を最後に退任する北原光広監督(64)が率いる神港学園が、今夏兵庫4強の滝川に競り勝ち、3回戦に進んだ。2回に敵失と1番を打つ佐々木翔悟内野手(2年)の適時三塁打で3点を先制。5回2死無走者から内野手の悪送球をきっかけに2点を失い、前半終了時で1点差に迫られるも、終盤7~9回は毎回1点ずつを追加し、粘る滝川二を振り切った。

 9回1死二、三塁の大ピンチを切り抜けた試合後、北原監督は「勝った気がしませんね」と苦笑。相手の6失策にも助けられたが「亀谷がここ一番でよく踏ん張った」と投げて5失点完投、打って2安打2打点のエース亀谷侑太(うた=2年)をねぎらった。負ければ神港学園での指導者生活が終わる今大会。「これまでは勝ちたい! だったが、今大会は選手たちをなんとか勝たせてあげたい! という気持ちで臨んでいます」と表情は穏やかだった。亀谷は「四球を出してはいけない、野球の神様は見ていると監督に教えられてきた。甲子園まで行きたい」とセンバツ切符を手にしての冬越えを目指す。