日大三(東京1位)は日置航内野手、高木翔己外野手(ともに3年)の親友コンビの一打で常総学院(茨城1位)をサヨナラで下し、06年以来12年ぶりの頂点へ弾みをつけた。

 日大三の劇的勝利を演じたのは、親友コンビのバットだった。1点を追う9回裏。先頭の日置の左越えソロ本塁打で同点。さらに1死満塁から8番・高木が中前へサヨナラ打だ。高木に緊張や焦りはなかった。センバツの出番は代走と守備固めのみ。この日は6回の代打からそのまま出場。「こんなに試合で使ってもらったのは初めて。楽しい!」。大舞台でヒーローとなり、日置と抱き合った。

 二人三脚が実を結んだ。昨秋、高木が打力を生かすために投手から野手に転向すると、朝練から夜の自主練まで、付き合ってくれたのが日置だった。高木は「いつもティーを上げて、打ち方を教えてくれた。変化球の対応ができるようになったのも日置のおかげ」。高めチェンジアップを日置直伝打法でサヨナラ打にし「自信を持って打席に立てた」と親友に感謝した。

 「今までは先行されるとズルズルと負けていた。粘ってこういう試合ができてよかった」と、日置も手応えを実感。結束力が日大三を強くする。【保坂淑子】