全国高校野球静岡大会が7月7日に開幕する。

16年夏に準優勝の袋井が、練習に「ヨガ」を導入して、悲願の甲子園初出場を目指す。柔軟性と競技力向上などを目的に、4月から週1回、約1時間のレッスンを実施。エース久留島誠紀投手(3年)もトレーニング効果を実感している。しなやかで、ケガをしにくい体を作り、厳しい夏を勝ち抜く決意だ。

 袋井の室内練習場に、一風変わった光景が広がった。女性インストラクターの動きと掛け声に合わせ、次々とヨガのポーズを決める選手たち。体の硬い部員からは、思わずうめき声も漏れる。充実のレッスンを終えた久留島が、すっきりとした表情でトレーニング効果を説明した。

 「すごく楽しいです。体の可動域が広がって、しなやかに大きく使えるようになったと思います。以前より楽に投げられるようになった気がします」。

 レッスンは週1回だけだが、元々、体の硬かった久留島は入浴後や空き時間に積極的にヨガを実施。「下半身が柔らかくなったと思います」。ストレッチ的な要素が多いヨガには、柔軟性の向上はもちろん、リラックス効果、骨や筋肉の構造を理解することで、無理なく体全体を動かすことにつながるという。今春の地区大会敗退後に、導入を決めた鈴木彰洋監督(41)も「パフォーマンスが良くなるだけでなく、ケガの予防にもつながると思います」と期待する。

 同校は16年夏に稲垣淳之介投手(大東文化大2年)らを擁して決勝進出。常葉学園菊川(現常葉大菊川)に敗れこそしたが、地元は大いに盛り上がった。久留島ら現3年は、2年前の快進撃を経験した最後の世代となる。「自分たちの代でも勝ち上がって、今度は甲子園に行きたいです」と久留島。ヨガで鍛えた選手たちが再び「袋井旋風」を巻き起こし、甲子園切符をつかみ取る。【鈴木正章】