スイッチ・オンだ。ドラフト1位候補の大阪桐蔭・藤原恭大外野手(3年)が今年初本塁打を放った。27日、横浜市内で首都大学リーグの日体大と練習試合を敢行。1試合目の7回にソロ本塁打を放ち2試合で3安打3打点と大暴れ。前日に近畿大会1回戦を勝利した後、バスで東上したが疲れは無縁。4年生を除くレギュラーの多くが出場した日体大に、2試合とも10-5で勝利した。

 健志台球場に詰めかけた600人を超える野球ファンが沸いた。1点リードの7回。先頭の藤原が日体大左腕が投じた内寄りのスライダーを捉えた。打った瞬間本塁打と分かる打球は右翼手の頭上を悠々越えた。

 藤原 左投手の変化球がすごく良かったので、変化球1本で待っていた。あれを打てないと通用しないと思ったので。やっぱり本塁打は気持ちがいいです。

 昨秋10月31日の近畿大会1回戦以来となる通算22号は狙い澄ました1発。4球団のスカウトを前に「完全復活」を印象づけた。

 強行軍もお構いなしだ。前日に近畿大会1回戦で延長戦を制して東上。サービスエリアに寄って晩ご飯を食べ、天然温泉で疲れを癒やした。約8時間半の旅路で到着は午後10時半だったが、藤原は2試合フル出場。「1番中堅」の1試合目は本塁打を含む2安打2打点、4番に座った2試合目も1安打1打点を挙げた。「自分たちより力が上だったので勉強する意識」と格上相手の野球を楽しんだ。

 痛めた右膝への負担を考慮され、センバツ以来の公式戦となった近畿大会では5打数5安打と大暴れした。そんな藤原率いる「銀河系スター軍団」の見参に、スタンドは立ち見も出る盛況ぶりだった。「打撃は上がってきているし、ケガをする前より良くなっていると思う。1番打者としてチームを勢いづけたい」。大学生を撃破し、チームも藤原のボルテージも上がる一方だ。【和田美保】