金足農の伝統「地獄の田沢湖合宿」でも食材に感謝

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<カナノウを語ろう(3)>

金足農(秋田)の伝統だった「地獄の田沢湖合宿」を昔、取材したことがあった。ナインは交代で仲間をおんぶして、深い雪の斜面を何度も上り下りする。想像を絶するハードな鍛錬で、体力はもちろん精神力もかなり鍛えられた。

ナインは食事を一切残さず、食べ終わると「ありがとうございました!」と手を合わせた。気持ちがこもっていた。当時の嶋崎久美監督は「うちは農業高校。米や食料をつくった農家の人、料理をつくった人、食材に感謝しなくては」と話した。苦しい練習、大地の恵みへの感謝をともにすることで、単なるチームワーク以上の結束の固さが生まれたのではないか。

田沢湖合宿はなくなり、練習方法も変わった。だが猛練習に耐えた体力と精神力、ナインの結束、バント重視など伝統の「金農野球」は今も脈々と生きていた。それが今大会準優勝の源になった。100回記念大会の甲子園で、金足農は高校野球の原点をあらためて示してくれた。【80~90年秋田担当・北村宏平】

 

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