西日本短大付(福岡)が、1番打者の先制パンチで今センバツ21世紀枠出場の熊本西を破った。

1回表、試合開始直後の3球目だった。西日本短大付1番打者、近藤大樹内野手(3年)の振り抜いた打球が、左翼芝生席で弾んだ。「内角高めのカーブだと思います。来た球をフルスイングしたら、スタンドに入ってくれました。ビックリです」と本人も驚く打球だった。この回、宇郷拓海外野手(2年)の3ランもあり、一挙6得点。主将でもある近藤の公式戦初アーチ(通算5本目)が大量リードをもたらし、決勝進出の原動力となった。

1番打者として最初の打席にこだわっている。「初回から相手投手にプレッシャーをかけるようにしている。どんな投手も立ち上がりを攻めるのは有効です」。打席に入る前からじっくり相手投手の投球練習でタイミングを計るが、この日も「なんとかく打てる気がした」と予感も的中。熊本西の追い上げを振り切るのに十分の6点を呼び込んだ。

「プロに行くことしか考えてません」。170センチ、70キロの体格ながら「守備と走塁は誰にも負けたくない。そうなればプロでもやれると思う」。50メートル走は5秒9。ソフトバンク今宮に憧れる「走攻守」そろった西日本短大付のショートが、26日の決勝の舞台でも大暴れする。【浦田由紀夫】