聖和学園は9-3で塩釜を下し、創部16年目で初の夏4強シードを獲得した。初戦から3連投のエース左腕・庄司陽斗(3年)が13奪三振で完投。打線も13安打で援護した。

1年秋からエースの庄司陽が3戦連続完投勝利で、存在感を示した。前日22日の仙台南戦で計154球を投じ、この日も147球の熱投。豊富なスタミナを誇り、ピンチでも崩れないメンタルの強さも披露し「打たれても次をどうするかを考えるだけ。気持ちの入ったボールは打たれない」と、三振の山を築いた。

5番打者としても2安打2打点と活躍した。失点直後の9回表1死二塁では左翼越え二塁打で再び突き離し、「自分でつくったピンチは自分で取り返す」と胸を張った。山崎渉監督(36)は「夏に向けて連投を試した。序盤にストライク先行で打たせて取ることができた」と評価した。

最速130キロ中盤だが、身長183センチの高さから投げおろす角度が魅力だ。中学時は仙台東部シニアに在籍。肘と肩を痛めて一時、野手に転向したが、3年時には5番・内野手で全国16強を経験した。高校から投手に再挑戦。1年時から経験を積み、プラス思考の投球術を身につけた。夏の前哨戦になる準決勝の相手は仙台育英だ。昨秋の地区準決勝で敗れているが、庄司陽は「今の力を試したい。自分のレベルアップにつなげられる」と前を向いた。【佐々木雄高】