「がばい佐賀北」を率いる久保貴大監督(30)が、得意の“ミラクル”ぶりを発揮して、2度目の挑戦で夏初勝利を手にした。
4回まで0-3の劣勢も5回に2点を奪って反撃ののろしを上げると、6回にはスクイズで同点。8回に勝ち越しを決めると、9回ピンチを切り抜けての白星。久保監督は開口一番「いやあ、苦しかったです」と言うと、しばらく言葉が出てこなかった。
1回に失策、暴投などがからんで1点を献上。3回も連打に暴投がからんで2点を追加された。それでも久保監督はベンチで「自信をもっていつも通りのことをやろう」と言い続けた。その思いが5回に実を結ぶ。1死一、二塁から犠打で2死二、三塁に。そして満を持して「元4番」の背番号12、宮崎翔大内野手(3年)を代打を送った。「あいつが打つと盛り上がる」。左前への適時打で2点を返すと、珍しくベンチで大きく両手でガッツポーズした。さらに6回は「思い切ってね」とスクイズで同点にした。エースとして佐賀北の全国優勝に貢献。数々のミラクルを起こし、「がばい旋風」と呼ばれた。この日は当時を再現するかのような逆転劇に「さまざまなことを思い出しました」と言葉をつまらせた。初采配だった昨年夏は初戦で敗退。「指導方法は変えなければいけないと思った。バントと守備を重視するようになった」。夏初勝利はナインとともに必死にもがいた結果だった。
球場外で待っていた07年がばい旋風を巻き起こした当時監督の百崎敏克副部長(63)と、ガッチリ右手で握手した。「夏は勝たないと次がない。本当にいいチームなので、目の前の試合を勝ちたい」。同じ「がばい戦士」の副島浩史監督(30)率いる唐津工に続いて初戦突破。12年前の風を、今度は監督として再び吹かせる。【浦田由紀夫】

