高知大会2回戦でルールが勝敗を大きく左右する熱戦があった。

高知東・島田龍二(3年)と高知高専・岩室響(3年)の両先発が投げ合い、1-1で延長13回からタイブレークに。ともに無死一、二塁を3回も無失点でしのいだが「1投手は15回まで」の高校野球特別規則により、降板。投手交代した16回、高知東が一挙7点を勝ち越した。

敗れた左腕岩室は人生最多234球。「まだ投げたかった。体が勝手に動く感覚で、まだまだいけました。もどかしかった」。悔しさは残ったが野球は続ける。「投手が大好きなんです。高専大会もあるし、社会人になっても投げたい」と最後は笑顔だった。

部員29人だが競技歴の短い選手が多い。救援した3投手のうち2人は1年生。遊撃の久武洸嗣主将(3年)も投手要員だが、フル出場の疲労が考慮された。

長田昌太郎監督(56)は「お互いさまですが…。最低3~4人は投手を作らないと。でも簡単じゃない。(球数制限は)私学に有利にはたらきますよね」と複雑そうだった。高知高専は昨夏も延長14回タイブレークで宿毛に敗れた。一方、右腕の島田は自己最速139キロを出し188球の力投。「集中していた。気力で投げました」と笑った。

日本高校野球連盟は有識者会議を開いて故障予防策を探っている。球数制限をなかなか導入しない理由として、エースと控え投手の差が大きい学校が多く、大量失点で試合が壊れる可能性が高い点も挙げていた。【柏原誠】