<高校野球高知大会:高知西3-2土佐>◇23日◇2回戦◇高知県立春野野球場

伝統はしっかりと守った。土佐(高知)は高知西に9回に勝ち越され、2-3で惜敗。春夏12回の甲子園出場を誇る進学校の夏は2回戦で幕を閉じた。

ベンチ前で軽くジャンプし、ゴムではじかれたように守備位置まで駆けていく。野球部の伝統だ。主将の石原田一樹外野手(3年)は近年、それが少し薄れていたと感じていた。土佐野球部のキビキビとした所作にあこがれ、門をたたいた。3年生は「もう1度、全力疾走に全力で取り組もう」と団結した。

入学時に25人いた現3年生は12人に減った。勉強に専念したい選手が多かった。故障を理由に去っていく選手もいた。甲子園への道は険しかった。「長かったようで、終わってみれば短かったです。少し心にモヤモヤ感がある。主将として、やり切れたとは言えません」。泣きはらした主将は素直にそう言った。【柏原誠】