第101回全国高校野球選手権大会(甲子園)は、8月6日に開幕する。東北6県の代表も決まり、戦後全国最多13年連続の聖光学院(福島)や、45年ぶり復活出場の秋田中央などが出場する。

今年の各県大会を振り返る特集第2弾は、担当記者が大舞台での活躍を期待する「推しメン」を紹介。プレーだけでなく、独自な視点で注目選手に迫った。同1日から甲子園練習がスタート。3日には組み合わせ抽選会が大阪市内で行われ、対戦相手が決定する。

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<秋田中央・野呂田漸捕手(1年)>

1年生捕手が冷静な観察眼、強気のリードで45年ぶりの甲子園出場に貢献した。先制点がカギを握る明桜との決勝戦。0-0で迎えた5回無死二、三塁のピンチでも動じなかった。同一打者で2度のスクイズ阻止に成功。1度目は監督のサインで外し、さらに再び三走を背負った場面でも「相手監督のジェスチャーを見てあると思った」。今度は自らの判断で大きく外し、無失点でしのいだ。

小3で野球を始め、小5から捕手に。東北大会優勝も経験した。中3でも県大会決勝を戦うなど大舞台には慣れている。最初は先輩投手に遠慮もあったが、元女房役の斉藤椋平外野手(3年)のアドバイスを受け、個性の違う3投手をリード。エース松平涼平(3年)を31回連続無失点に導いた。時間が許せば野村克也氏と古田敦也氏の著書を読み、捕手論を学ぶ頭脳派。「捕手は試合を作る中心でやりがいを感じる」。ルーキー司令塔が甲子園でも躍動する。【山田愛斗】