初出場の仙台城南(宮城3位)は夏甲子園出場の花巻東(岩手2位)を延長11回に振り切った。

   ◇   ◇   ◇

初出場の仙台城南が、地元の花巻東から大金星を挙げた。県大会後に右上手からサイド気味にフォームを変えた阿部伶桜(2年)のスライダーがさえ、11回を9安打6四死球と、粘りの投球で2点に抑えた。9回まで95球と打たせてとる省エネ投球。「何度も甲子園に出ている学校なので不安はあったけど、勝つ気で投げました」と喜んだ。

角晃司監督(59)は試合前に「自分たち以外はみんな花巻東が勝つと思っている。勝ったら仙台じゅう、学校じゅうが大騒ぎになるぞ。こんなチャンス2度とないぞ」とモチベーションを上げた。2点を先行されながらも7回に同点。延長11回に代打の代打、高橋大樹(2年)が勝ち越し打を放つ堂々の勝利だった。

県第3代表決定戦で顔面直撃死球で鼻骨、眼窩(がんか)底骨折を負った石川友希捕手(2年)は、7回に同点適時打を放ち「最後のアウトでは本当に終わりなのかとビックリした」。阿部は「うれしさがメチャクチャあるけど、しっかり寝て忘れます」と準々決勝の磐城(福島)戦に気持ちを切り替えていた。

○…花巻東・清川大雅主将(2年)「終盤のチャンスで1本が出なかった。この負けを絶対に忘れないで、来年は負けないチームをつくりたい」