北越(新潟1位)は、上田西(長野1位)を3-2で破り、前身の北越商時代の1980年(昭55年)秋以来の北信越4強進出を果たした。

北越は初回、佐藤圭遊撃手(2年)が重盗で本塁を突き先制。その後、同点とされるも、6回に佐藤圭の右前適時打で勝ち越し。7回にも追加点を挙げた。先発の阿部柚士郎投手(2年)は、10安打を浴びながらも、要所を抑え2失点完投。勝てば来春のセンバツ出場がほぼ確実となる準決勝は、日本航空石川(石川2位)と19日に対戦する。

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最後の打者・高寺の飛球が、本間大左翼手のグラブに収まると、阿部は両手を高く上げ、満面の笑みを浮かべた。我慢の連続だった。浴びた安打は「10」。打ち込まれたように見えるが、要所で上田西打線の自由を奪った。意識したのは「ギアを上げるタイミング」。6回までは直球とカットボール中心。7回以降は「ここからが勝負」と、球速が増した直球と大きく曲がるスライダーを駆使し、追いすがる上田西を振り切った。「甲子園が目標」と阿部。エースの力投で同校初の甲子園をつかむ。