新型コロナウイルスの影響で中止された今春センバツに出場するはずだった32校を招く甲子園高校野球交流試合(8月10~12、15~17日)の抽選会が8日、オンラインで行われた。各校1試合ずつ計16試合が組まれた。

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近畿勢は好カードめじろ押しだ。最速151キロ右腕・中森俊介投手、来田涼斗外野手(3年)のドラフト候補を擁する明石商(兵庫)が8月16日に戦う相手は、昨秋関東4強の桐生第一(群馬)に決定。狭間善徳監督(56)は「最後の試合が強豪とできるのはうれしく思う。思い切った野球ができる」と腕ぶした。

持ってる主将の来田が再び幸運を引き寄せた。「テストとかで『ウ』(選択問題の記号)を選ぶので」と、抽選ではアイウエオ順に並ぶくじの中から「ウ」の札をチョイス。99年全国制覇校との対戦に「強豪校と当たりたくて。うれしかったです」と頬を緩めた。

昨秋の近畿大会でもくじ運の良さを発揮した。大会2日目を引いたが、雨で1日順延。狭間監督は中森に「1日雨で空いた時、ビデオでこの時のこの場面見ておけ」と、好調時の再確認を指示。エースはこの1日を立て直しに使い、初戦突破につなげた。指揮官は「(日程も)最高ですね。お盆の最後の日。家で過ごす人が多いだろうから、この子らの最後を(テレビで)たくさんの人に見てもらえると思う」と笑顔。「運持ってる」と認めるラッキー・キャプテンに感謝だ。

昨夏2年生最速タイとなる151キロを記録した中森は「超えたいです」と更新に燃える。「(出場した3回)自分が投げて負けている。点は取られたくない。しっかり勝って終わりたい」と必勝を期した。来田も「(エースの)宮下(宝)くんは制球力がいい。塁に出ることだけを考えたい」と打線を引っ張る。1年生から2人で3度彩ってきた聖地。集大成の夏がやってくる。【望月千草】