伝統の「帝京魂」継承へ 阪神原口から粋な贈り物

  • OBである阪神原口から贈られたTシャツを着る帝京・加田。裏には「繋」の文字と、各選手の名前が記されている(撮影・古川真弥)
  • 練習中、選手に指示する帝京・前田監督(左)(撮影・古川真弥)

つなげ、帝京魂! 東京独自大会開幕まで1週間を切ったが、帝京(東東京)にOBから粋なプレゼントが届いた。阪神原口文仁捕手(28)からのオリジナルTシャツで、新型コロナウイルスで甲子園中止を味わった3年生部員18人全員に贈られた。書道家の晃鳳氏により、表には「帝京魂」、裏には「繋」の文字が書かれている。

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先輩からの贈り物を着た加田拓哉主将(3年)は誇らしげだった。「支えていただいていると感じます。帝京の伝統を受け継ぎ、つなぐということ。帝京魂は強豪の意地、最後まで諦めない気持ちだと思う。大会で見せたいです」と背筋を伸ばした。

力強い筆致の主は、晃鳳氏。阪神の漢字応援タオルなどを作成している書道家で、原口の依頼を快諾した。原口は「帝京高校で3年間、頑張ってきた証しや、1つの大きな区切りとして、また3年生にはこれからいいスタートを切って欲しいという思いで、プレゼントしようと考えました」と思いを明かした。「繋」には、仲間とのつながり、帝京OBとのつながり、コロナ禍での人とのつながりの大切さ、などの意味が込められている。

「帝京魂」を、前田三夫監督(71)は「先輩たちの実績とプライドだね。築き上げたものを後輩たちに継続していくものだと思う」と解説した。今でこそ、野球部専用のグラウンドにナイター設備もあるが、かつてはサッカー部と共有、部員も数えるほどの時代があった。そこから名門へと駆け上がった歴史が「魂」として引き継がれている。

大会開幕まで1週間を切り、練習の緊迫感が増してきた。実戦形式の打撃練習では、打撃投手がマウンドから5メートルほど本塁寄りに立って投げた。フワッとした投球には「ゆるい!」と前田監督が厳しい声を飛ばす。「甲子園がなくなり、気持ちを入れるのが難しい面はある。でも、それじゃいけない。学校、OB、家族の期待。周りの方の努力で代替大会ができるんですから、応えないといけない」。甲子園があろうと、なかろうと、3年生は最後の夏に変わらず勝負をかける。その姿勢も「帝京魂」と呼べる。【古川真弥】