新潟の勢いは止まらなかった。「超ポジティブ主義」を掲げるチームは“アクシデント”を蹴散らして勝利に突き進んだ。

2-3で迎えた5回は同点に並んでからの無死満塁のチャンスを、あっという間につぶした。三直から三塁を踏まれ、二塁送球でトリプルプレーだ。「やべぇ。これで終わった」と後藤桂太監督(54)は振り返ったが、ナインの心は沈んでいなかった。その裏に勝ち越され、3-4で迎えた6回。3安打2四球、1野選で3点をもぎ取り、逆転に成功した。

主将の3番佐藤育遊撃手(3年)は8日の4回戦・十日町戦(3○2)で左腕を故障。主力を欠く、緊急事態もナインは積極志向でクリアした。主将に代わり3番に座った杉本寛児一塁手(2年)は三塁打を含む4打数2安打。「炎の継投」(後藤監督)の3番手としても6回から登板し、4回を無失点で締めた。「実力で劣るが、気持ちで勝つ」という超ポジティブ主義を打席で、マウンドで実践していた。【涌井幹雄】