慶応(神奈川2位)が昌平(埼玉1位)を下し、5年ぶりとなる来春センバツ出場に当確ランプをともした。 西武、巨人などで通算525本塁打と活躍した清原和博氏(55)の次男・勝児(かつじ)内野手(1年)は「6番三塁」でスタメン出場。同点を演出する犠打を成功させるなど、勝利に貢献した。父がその名をとどろかせた夢の甲子園出場を決め、歓喜した。

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清原勝児という男は、一言で表すなら「陽」だ。常に笑顔を絶やさない、爽やかボーイだ。森林監督が「彼はいるだけで周りが明るくなる」と話すように、この日の試合後、帰宅する道でも、清原を中心に笑顔の輪が広がっていた。

注目度の高さから、試合で結果が出なくても、取材対応を要求される。それでも嫌な顔一つしない。同じ質問を何度もされることもある。例えば帽子のつばの裏に記された父直筆の文字について。「氣」、「己を信じてリラックス センター返し」は、取材のたびに見せてくれと頼まれる。それでも笑顔で胸の前において、笑顔で写真撮影に応じてくれる。

清原の試合を見ていて、特に印象に残るシーンがある。打席に入る際のことだ。相手捕手のマスクが落ちていたら、審判が拾おうとするのを制止してまでも、自分で拾って相手に渡す。県大会から関東大会まで、その姿勢を崩していない。明るく、礼儀正しい。それが清原勝児だ。【アマチュア野球担当=阿部泰斉】