桐陽は3-1で昨年8強の三島北を退けた。濃霧で試合開始が遅れた悪条件の中、エースで主将の野極工平(3年)が快投。毎回の14奪三振で初戦突破に導いた。
球場に立ち込める霧をも晴らす快投だった。濃霧の影響で試合は照明を点灯させ、1時間11分遅れで開始。桐陽の先発野極は試合前からフル稼働だった。「ブルペンとグラウンドを行ったり来たり。キャプテンなのでムードも高めないといけない。集中力を保つのが難しかった」。ドタバタのままマウンドに上がった影響で初回に1失点。それでも、その後は冷静だった。
2回以降は自慢の直球を主体に投球を組み立てた。「真っすぐが伸びていたので、信じて投げた」。走者を背負う場面も要所で締め、毎回の公式戦最多14奪三振。自己最速を2キロ更新する134キロもマークする納得の投球で、「応援が力になった」とスタンドの大声援に感謝した。
試合前はスコアボードも見えないほどの深い霧に包まれた。試合中も強風と小雨が降る悪天候。終盤まで1-1の拮抗(きっこう)した展開だった。8回1死一塁で、代打の太田雄琉(3年)が左翼線に決勝打。待ち望んでいた味方からの援護をベンチで見守った野極は「ただただうれしい。安堵(あんど)です」と胸をなで下ろした。
試合後は「冷静に投げることができた」と晴れやかな表情を見せた。次戦は今春の東海大会を制した第1シードの加藤学園と対する。「組み合わせが決まった時から勝つつもりでやってきている。腹をくくったピッチングをしたい」と野極。霧にも負けず、雨にも風にも負けずに投げきった。視界良好で、王者に真っ向勝負する。【神谷亮磨】

