ここまで私が見た範囲で、印象に残った選手が数人いた。投手では広陵の右腕・高尾響(3年)の真っすぐがいい。特に外角低めにコントロールされており、そこに安定してしっかり投げていた。高知との試合では、幾度となくアウトローを丁寧に突いていた。

ここでカウントが取れると、ピッチングは安定する。私が見た範囲ではカットボールに見えたが、小さい変化も制球されていた。さらに低めに投げていたカーブもいい。加えて、テイクバックが小さく、その割に球威があり、バッターはタイミングが取りづらい。

捕手では高崎健康福祉大高崎の箱山遥人(3年)がいい肩をしていた。イニング間の投球練習でのセカンドスローでは、地肩の強さはよく分かった。ただし、横から投げる場面も目についた。イニング間の練習でもしっかり上から投げることを習慣づけてほしい。

外角球を受けた後、自然とサイドから投げるケースはあるが、その時も、まずはしっかり上から投げるのが望ましい。走者がいる時は特に丁寧な返球を。走者がいない時も同様だ。投球のテンポを出すため、素早く返球する狙いは理解している。その上で、基本は体に覚え込ませる貴重な時間。忘れないでほしい。

大阪桐蔭の右翼・境亮陽外野手(3年)の肩は見事だった。シートノックでは、右翼からノーバウンドでバックホームしていたが、スタンドから拍手が起きていた。送球の高さも低く、そして正確だった。この送球は一見の価値ありと感じるほど。プレッシャーのかかる試合でのバックホームを見たかったが、これからも注目したい。

バッターでは、作新学院戦で右翼に大会2号を放った神村学園の正林輝大外野手(3年)のバッティングが光った。内角低めの変化球を確実に芯で捉えていた。昨夏も2年生で4番を打っていたため覚えていたが、確実性が増した印象だ。

ここまで見た中では、新基準バットの影響で打球が飛ばなくなったということは間違いないと感じるが、全般的にこの大会での打者は、タイミングをしっかり合わせることに苦労している感じがした。おおむね前めに守っている外野手の頭を越える打球が少ないことは気になった。(日刊スポーツ評論家)

◆日刊スポーツが選ぶ今大会ベストナイン

右腕→高尾響(広陵)

左腕→山口瑛太(創志学園)

捕手→箱山遥人(高崎健康福祉大高崎)

一塁→斎藤祐征(報徳学園)

二塁→野田希(熊本国府)

三塁→西村大和(報徳学園)

遊撃→吉川勇大(青森山田)

外野→境亮陽(大阪桐蔭)

外野→正林輝大(神村学園)

外野→モイセエフ・ニキータ(豊川)