第106回全国高校野球選手権静岡大会の1回戦が、今日6日から県内10球場でスタートする。注目校などを紹介する連載「夏に煌めく」の最後は、同日に初戦を迎える熱海と磐田農。

沼津商から部員を借りる特別措置で単独名で出場する熱海は、唯一の3年で主将の矢吹諺(げん)投手を中心に夏1勝を目指す。磐田農は、パワーアップした肉体で目標の16強を目指す。

   ◇   ◇   ◇

部員不足による特別措置で、単独名での出場がかなった熱海。新たな仲間と一緒に挑む戦いが、いよいよ始まる。矢吹主将は「目標は1勝すること。3年は自分1人なので、プレーでみんなを引っ張っていきたい。悔いが残らないように、思い切って全力で戦いたい」と、高校最後の夏に向けて決意を語った。

5月上旬。昨秋、今春と連合チームを組んでいた裾野の単独出場が決まり、熱海は西尾郁哉監督(28)や杉山聖部長(60)がメンバーの確保に奔走した。周囲の高校を中心に声をかける中で、沼津商の1年生4人が立候補。部員5人だったチームは9人になった。

“助っ人”の加入は、相乗効果も生んだ。指揮官は「沼津商の選手たちが、本当によく守ってくれる。バックがきっちりしたことで矢吹の力みが抜けて、コントロールが良くなった」。エース右腕が、持ち味の打たせて取る投球を発揮。練習試合では沼津高専に2-0、三島南のBチームに3-2と勝利を重ねた。

先月22日の組み合わせ抽選会では、1回戦(6日)の相手が裾野に決まった。運命のいたずらか-。目標の夏1勝を懸けて“元チームメート”とぶつかる。矢吹は「最初はびっくりしたけど、今は楽しみ。やるからには勝ちたい」と本番を心待ちにしてきた。

6月2日に迎えた9人での始動後、全員での活動は週末に限られた。準備は決して十分ではない。それでも、矢吹は「自分たちは(沼津商の1年生に)助けられた。感謝の気持ちを持って、一緒に勝ちたい」。沼津商の杉山海翔内野手も「自分の良さを出して、熱海を全力で支えていきたい」と力を込めた。一丸で、勝利を目指す。【前田和哉】