プロ野球選手を志す最速143キロ右腕の菅(神奈川)・岩瀬将投手(3年)の割とでっかい歌声が、横須賀の曇り空に響いた。「2年間初戦敗退で歌ったことがないので、自分の代くらいはって。金足農業みたいに思い切って歌いました」と、118球を投げ終えた背中をぐっと後ろにそらせて声を張った。

58分間の雨天中断にも乱れず、逗子開成相手に9回4安打1失点。「夏の大会に(主力で)出るのも初めてなので」と完投に充実感がにじむ。力がなかったわけではないが昨夏は代走出場のみ。「ベンチで『なんで俺、出られないんだ』ってずっと思って。はっきり言えば悔しかったです」。屈辱や反骨心もまた、プロ全球団がその名を知るほどにまで伸びた原動力にもなった。

中2日で第1シードの向上と対戦する。3球団が視察したこの日はスライダーが多めで、直球は最速138キロ、奪三振も7と出力は控えめだった。「去年の分まで、今年は大きく進化した自分を夏の舞台でいろんな人に見てもらえたら。全部出し惜しみなく発揮して、強豪にどれだけ通用するかを見たいです」。中1から使い続けるグラブをおともに、夢は自分でつかみ取る。【金子真仁】