プロ注目の菅・岩瀬将投手(3年)の夏が終わった。バッテリーを組む小池神平捕手(3年)の高校野球も終わった。

2回戦は三塁打と二塁打を放ったものの、この日は第1シード向上相手に4打席でヒットなし。捕手としても11点を奪われた。

この春、岩瀬が注目され始め、スカウトや報道陣が学校を訪れるようになった。「いい雰囲気をチームにもたらしてくれてますよ」と喜んでいた。

ただ“来客”が増えながらも小池は何も繕うことなく、練習に取り組んだ。仲間が緩んだプレーをすれば厳しく指摘した。10年後くらいは指導者になっていそうな姿が見えた。

「いやいや、ないですよ。先生も大学に行って、学校の先生とかやれって言うんですけど。自分、学校の先生になれるような人間じゃないんで」

ここまで達観している高校生も珍しい。「いや、自分、生活面がしっかりしてない時もあるので、先生とかになれる立場じゃないと思うんですよ」。自分に厳しい18歳も珍しい。

「あいつ、たまに勝手に変化球とか投げたりするんですよ。勝手に」とエース岩瀬の素を暴露する。それを難なく捕る技術が小池にある、とも言える。

「兄たちが昔からキャッチボールでも全力に近く投げてきてたりしてたので、それで鍛えられましたね。硬球への恐怖心とかもないんです」

岩瀬を見に来る関係者の目に、その技術が留まることもある。「野球、続けないの?」と言われることもたまにある。

「父にも母にも野球を勧められるんです。でも迷ってないんです。消防士になりたくて、その試験を受けようかなって」

ドラフト候補の好投手とバッテリーを組んでいた捕手が、高校で野球を辞めるケースはそこそこある。大船渡高で佐々木朗希投手(現ロッテ)とバッテリーを組んでいた及川恵介捕手もそうだった(その後、東北学院大2年で野球再開)。なぜだろう。

「それ、なんとなく気持ちが分かる気がします。なんかやっぱ、あいつのボール受けてると、自分とのレベルの違いを見せつけられるんですよ。みんな、そうやってやり切った感が出ちゃうんじゃないですか。最後にいい試合をできれば、それでいい。草野球くらいならやるにしても」

岩瀬目当ての来客が増えたことは「友達として普通にうれしかったですよ」と笑う。

「あいつはこれからもきっと野球を続けて、自分はめっちゃ応援してます。楽しみっす」

やがて進む道が変わっても、キズナはそのままだ。【金子真仁】