鳥羽の主砲、横谷乙樹(いつき)内野手(3年)は「やりきりました」と、高校最後の試合となった熱闘をさわやかに振り返った。
初回2死二塁の初打席。京都国際のエース西村一毅(3年)の初球を捉え、センターバックスクリーンにたたき込んだ。25日の準決勝・京都外大西戦の9回2死満塁で逆転サヨナラ満塁弾の離れ業を演じた4番が、2試合連続、2打席連続で打った。「打った瞬間はホームランになるかどうかわからなかったんですけど、フェン直(フェンス直撃)くらいかなと思ったんですけど、ホームランになってピッチャーにいい援護になったなと思いました」。最高の出だしになった。
その後も毎回のように訪れるピンチを、しのぎにしのいだ。5回2死満塁で相手の5番打者を打席に迎えたとき、2ボール2ストライクのカウントで松下浩司監督(43)は先発の山下航大(3年)から毛利太雅(2年)にスイッチ。「打者を追い込んだからこその起用。毛利は変化球がいい投手。1球が勝負だと送り出しました」と松下監督。期待通りの初球スライダーで空振り三振に仕留め、毛利はガッツポーズを繰り返しながらベンチに帰った。ワンポイントの継投を成功させ、6回から正村翔太(2年)が登板。勝利への道を懸命に歩んでいった。
だが8回に追いつかれ、9回は昨夏の全国王者の底力に屈した。
サヨナラの打球が落ちた瞬間、横谷は「高校野球、終わったなと。涙は少しは出ましたが、もう悔いはないなとふっきれていました」とやりきった表情を浮かべていた。大学進学の進路は決めているが、野球を続けるかは「考えます」とこの日でいったん、区切り。強烈な2アーチをわかさスタジアム京都に残し、4番打者は鳥羽のユニホームに別れを告げた。【堀まどか】

