日刊スポーツ高校野球取材班が今センバツ期間中に紹介できなかった話題を「センバツ こぼれ話」と題して取り上げる。大阪桐蔭・黒川虎雅内野手(3年)は、智弁学園(奈良)との決勝で適時打。苦しんだ主将がダメ押しの一打を放った。
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センバツ制覇へ大阪桐蔭の主将がダメ押しした。不振に苦しんだ黒川が5-3の7回にリードを4点に広げる2点打。「すごくうれしかったですし、アルプスのみなさんがすごく応援してくださっていたので期待に応えられて良かった」。打席前時点で今大会は16打数1安打で打率6分3厘。西谷浩一監督(56)は決勝戦前の取材で「キャプテンに期待します」と愛を持っていじった。黒川も適時打には思わず笑みがこぼれた。
新チームとなり満票で主将に選出。妥協は一切許さず、選手間ミーティングも連日行った。グラウンドでも黒川から指摘が入るが、寮でも最低30分間の反省会。西谷監督も「こっそり聞きに行ったらもう話長いんで」と笑うほどだ。
練習時はもちろん、寮生活でも日本一を常に意識。黒川は「甲子園に出れてないと言われるかもしれないけど、やっぱり大阪桐蔭は常に日本一を目指してやっている。最終目標として日本一は絶対に欠かせない」と頂点に見据えてきた。1月、西谷監督の「春に勝負をかけないか」の言葉で日本一への本気度が増した。
圧倒感はないが、粘り強く勝ち切る。新チーム発足以来、黒川中心に「粘り強くいこう」が浸透した。2回戦以降の決勝点は犠飛、犠飛、内野ゴロ、押し出し四球。1大会同校最多3度の1点差勝利と泥臭く奪い、大勝なき日本一だった。
競り勝ちながら最後は紫紺の優勝旗を手にした。主将は「本当にうれしい気持ちでいっぱい。絶対に自分たちの年で10度目の日本一を取りにいこうと言った中で、簡単ではなかったけど最終的に取れて良かった」と充実感を漂わせた。突き抜けた選手はいなかったが、強豪校が一丸となって奪還を果たした。その中心には黒川がいた。【林亮佑】

