放課後はグラウンドで汗を流し、夜は受験勉強のため机に向かう。高校野球に打ち込む球児たちの中には、勉学との両立に挑む「進学校の球児たち」がいる。甲子園常連校とは異なる環境の中で、限られた時間をやりくりしながら白球を追う日々。その先に見据える未来とは-。

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目の前に衆・参議員会館が広がるグラウンドで練習する日比谷は、サッカーコート1面分ほどのグラウンドを曜日によってはサッカー部とラグビー部と一緒に使っている。学校では練習試合は組めず週末の遠征で実戦経験を積むが、学校の取り決めで活動できるのは土日のうちいずれかだ。午後6時が完全下校と決まっているため、平日の練習は短期集中型だ。

1日でできることに限りはあるが、伊藤聡史監督は「練習はいつも90分だよと選手たちには言い続け、メニューも1週間、1カ月単位で組み立てています」と力説した。特にキャッチボールは送球や捕球の動作を学ぶ狙いで7、8種類のドリルを行うなど狭い敷地でも、知恵と工夫で乗り切る。1学年のうち半分は東大受験をするといわれる超進学校にとってはお手のものだ。

今春の都大会に出場し、夏はさらなる上を目指してベスト16を狙う。何が起こるか分からないのが野球の面白さ。同校出身者が6人いる東大は東京6大学野球リーグで法大から勝ち点を奪ったことは一つの象徴ともいえ、主将の青賢太朗内野手(3年)は「率直にすごいことだと思いました。僕らもうちのチームの強みである継続力を生かして、目標に向けて一丸となってやっていきたい」と話していた。【平山連】

◆日比谷 1878年(明11年)に東京府第一中学として創立された都立屈指の伝統校。野球部創部は1915年、野球部員37人。甲子園出場はなし。東大合格者を多数輩出する進学校として知られ、主なOBは作家の夏目漱石氏、画家の横山大観、キャスターの安藤優子ら。学校所在地は東京都千代田区永田町2丁目16の1。萩原聡校長。