つばさ総合が実践学園に5回コールドで敗れ、昨秋の新チーム結成後、初の公式戦勝利はならなかったが、主将の渡辺晃生内野手(3年)は充実した表情を見せた。
1番打者で出場した初回、変化球を捉えて中前打を放ち、チームに勢いをもたらした。5回の第3打席は無死一、二塁の好機で回ったが空振り三振。「コールド負けにならないためにも僕が決めるしかないな」と勝負を懸けたが、バットは空を切った。
学校は航空機のつばさを仰ぎ見る羽田空港にほど近い大田区にある。羽田と羽田工が統合して02年に開校したが、都立校を中心に部員減少が進む中、17人の単独チームで挑んだ夏。最後まで諦めずに戦い抜いた。
渡辺は「神宮で野球ができて、続けてきてよかったなと思いました」と笑顔を見せた。連合チームになる可能性もあったが、自ら奔走して部員を集めてきた。「ポスター作りに力を入れて新入生を勧誘したり、他の部活で『やっぱ野球やりたいな』と思っている子を呼んだりしました」。地道な活動が実を結び、単独チームでの出場が決まった。
レギュラーだが、背番号17は自ら希望した。「一番悩んだのは部員集めだったので、引退してユニホームを見たときに『17人も集められたんだな』と形に残したかった」。特別な思いを込めた背番号で最後の夏を駆け抜けた。【田島優大】

