埼玉大会開幕戦で、歴史的な1歩が刻まれた。今夏から埼玉は女性によるシートノックを認めたことを受け、飯能の女子部員・花岡咲愛投手(2年)が、シートノックでノッカーを務め、埼玉初の女性ノッカーとなった。

グラウンドには1学年上の兄晴翔内野手(3年)の姿もあった。公式戦で兄妹が同時にプレーすることはできないが、試合前のシートノックでは妹が打ち、兄が捕る。開幕戦ならではの兄妹共演が実現した。

迎えた本番は「すごく緊張しました」と振り返りながらも、落ち着いて打球を送り続けた。最後の1球は兄へ。「もう最後の1球だったので、頑張ってという意味を込めて打ちました」。スタンドもベンチも大歓声に包まれた。

試合前にはチームメートやマネジャーから「いつも通りやれば大丈夫」「楽しんでね」と声を掛けられた。ノック後には父から「やったじゃん。すごいじゃん」と称えられ、「やってよかったなと思いました」と笑顔を見せた。

自身のノックは「90点」と自己採点。「次はミスノックなしで、最後までいいゴロを打てるように頑張ります」とさらなる成長を誓った。

母望さん(47)は咲愛の活躍に「とにかく失敗しないようにって。でも一生懸命練習してたの知っているので。大丈夫と信じながらも少し緊張してました」と涙を見せながら語った。

埼玉初の女性ノッカー誕生に、劇的な逆転勝利が重なり、忘れられない夏の幕開けとなった。【会田京叶】

◆花岡咲愛(はなおか・さくら) 2010年(平22)4月1日生まれ、埼玉県入間市出身。小学1年から野球を始め、中学は入間メッツでプレー。最速99キロ。持ち球はスライダーとカーブ。右投げ右打ち。