敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。

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慶応(神奈川)の背番号「10」、大村哲誠投手(3年)の夏が終わった。母有奈さん(43)の兄は中日で通算407セーブを挙げたレジェンド岩瀬仁紀氏(51)だ。試合後「ただ、悔しい」と声を絞り出した。今大会は2試合に登板。3回戦の大磯戦で4回1/3を4失点、4回戦の横浜栄戦で1回2/3を4失点と無念の降板となった。以降はマウンドに上がっていない。「結果を出せず、2年生に負担を任せてしまった」と肩を落とした。

小学生のころ、年末に親戚が集まった時に、偉大な伯父から授かったのが代名詞の「スライダー」だった。「投げる軌道のイメージを描きながら投げなさい」。その魔球と「自分と闘うな。バッターと勝負しなさい」という守護神の金言を胸に腕を振ってきた。前日23日には岩瀬氏の息子で、いとこにあたる東邦(愛知)岩瀬晃大投手(3年)が、敗れはしたが中継ぎで好投した。「自分も頑張らないと」と誓って臨んだ一戦だったが、最後まで出番はなかった。

今後は慶大に進学し、野球部に入部する予定だ。「高校野球に悔いはないが、結果の悔いは大学で倍返しにする」と、すでに大学球界を見据えた。身長175センチ、体重66キロと細身の体を、入学までに75キロへ増量するという。最速140キロの直球は大学在学中に150キロへ引き上げる覚悟だ。「伯父さんには『今までありがとう。これからも頑張ります』と伝えたい」と、神宮のマウンドで花を咲かせる。【鳥谷越直子】【高校野球】神奈川は横浜と桐光学園が決勝進出 新潟は日本文理、熊本は有明が甲子園へ/詳細