イチローが日米通算でメジャー最多安打の数字を上回ったことを、誰よりも喜ぶのがプロ野球通算最多の3085安打をマークした張本勲氏だ。

 「日本球界は鼻高々ですよ。こんな選手は向こう100年出て来ないでしょう」と絶賛する。

 1959年から23年間プレーし、広角打法で知られた張本氏は、同じく打ち分けられるイチローの特長を「どのコースにもバットが真っすぐ出ていく。動体視力がすごい」と表現する。一方で「スーパースターと呼ばれる人に豪快な人はいない。繊細なんですよ。だから自己管理が徹底できる」とも分析した。

 ピート・ローズ氏が現役時代に来日した際に練習方法を観察。「目がいいんでしょうな。バットの先っぽでトス打撃をやっていて、びっくりした」と印象を口にし、イチローとの共通点とした。

 そのイチローが2009年4月に自身の数字を日米通算で上回った際には、わざわざ渡米して見守った。今回の到達に際し、その時と同じせりふで、テレビでもおなじみの「大あっぱれですよ」を賛辞として贈った。