マリナーズ岩隈久志投手(35)が11日、今年8月の台風10号により大きな被害を受けた岩手・岩泉町を訪問した。地域密着球団「三陸鉄道キットDreams」のGMを務めている縁で、慰問を決断。岩泉ヨーグルトで有名な「岩泉乳業」を訪れ、従業員らを励ました。

 同社の山下欽也社長(59)から、当時の様子や被害状況の説明を受け、「アメリカではネットのニュースでしか分からなかったので、こんなに被害が大きいとは思わなかった」と話した。また、かつて在籍した楽天ゆかりの「楽天イーグルス・岩泉球場」を訪れた際には、泥に埋まったままのグラウンドをみて絶句。「ここで子供たちが元気に野球をやる姿を早くみたい」と声を絞り出した。

 その後、宮古市田老に移動し、三陸鉄道キットDreamsの練習を視察。約1年ぶりに選手たちと再会し、「だいぶチームとしてまとまってきた」と笑顔をみせた。エースの斎藤洋平投手(32)を個別指導し、「左腰の開きが早い」と指摘した。「このチームを立ち上げたのも、被災地に少しでも笑顔を取り戻せたらと思ったから。今後もできるだけ地域に寄り添っていきたい」と、幅広い支援活動の継続を決意していた。