ジャイアンツ首脳陣は、パブロ・サンドバル内野手(31)について「余計なことをしてくれたな」と思っているかもしれない。

 4-4で迎えた9回裏1死。左打席に立ったサンドバルはカウント3-2から、相手右腕メイトンの低め92・1マイル(約148キロ)直球を右中間場外へ運んだ。

 これでジ軍はサヨナラ勝ち。ナ・リーグ西地区最下位に沈んだ苦しいシーズンの最終戦を、白星で締めくくった。

 ところが、この今季162試合目での1勝がある意味、余計だった。ジ軍は64勝98敗の勝率3割9分5厘でシーズンを終了。一方、大リーグ最低勝率を争っていたタイガースがツインズに敗れ、同じ64勝98敗で並んだ。

 MLBのドラフト制度は完全ウエーバー。前年度最低成績のチームから順に指名をしていく。

 成績が並んだ場合には、前々年の成績が比較される。16年の成績はタ軍が勝率5割3分4厘で、ジ軍が5割3分7厘。そのため18年ドラフト1巡目全体1位の指名権はタ軍に決定してしまった。

 サンドバルは今季、打率2割1分2厘、4本塁打、12打点と低迷してレッドソックスを解雇された。7月から加入したジ軍でも打率2割2分5厘、5本塁打、20打点とさほど変わらない成績だった。

 それなのに最終戦だけ空気を読まない活躍。チームを勝利に導き、同時に18年ドラ1指名権はタ軍へと移っていってしまった。