数々の金字塔を打ち立てた日本最高の安打製造機が、ユニホームを脱ぐ。日米通算4367安打(日本1278、米国3089)のマリナーズ・イチロー外野手(45)が21日、アスレチックスとの開幕第2戦(東京ドーム)後、引退を発表した。

現役を引退するマリナーズのイチロー外野手は、午後11時56分に登壇した。

<冒頭>

こんなにいるの? びっくりするわ。そうですか。こんなに遅い時間にお集まりいただいてありがとうございます。今日のゲームを最後に、日本で9年アメリカで19年目に突入したところだったんですけど、現役生活に終止符を打ち、引退することになりました。最後にこのユニホームを着て、この日を迎えられたことを大変幸せに感じています。この28年を振り返るにはあまりにも長い時間だったので…。ここで1つ1つ振り返ることは難しいので、ここではこれまで応援していただいた方々への感謝の思い、球団関係者、チームメートに感謝を申し上げたい。みなさまからの質問があれば、できる限りお答えしたいと思います。

-決断したのは

タイミングはですね、キャンプ終盤ですね。日本に戻ってくる何日前ですかね…。終盤に入った時です。もともと日本でプレーする、東京ドームでプレーするというのが契約上の予定でもあったんですけど、キャンプ終盤で結果を出せず、それを覆すことが出来なかったということですね。

-子どもたちへ

熱中できるものを見つけられれば、それに向かってエネルギーを注げる。それを早く見つけてほしい。見つかれば、立ちはだかる壁に向かっていける。いろんなことにトライして、好きなものを見つけてほしい。

-一番印象的なことは

今日を除いてですよね。この後時間がたったら今日が1番真っ先に浮かぶことは間違いないと思います。それを除くとしたら、いろいろな記録に立ち向かってきたんですけど、そういうものはたいしたことではない。自分にとって、それを目指してやってきたんですけど。いずれそれは僕ら後輩が先輩たちの記録を抜いていくのはしなくてはいけないことだと思う。そのことにそれほど大きな意味はない。今日の瞬間を体験すると、小さく見えてしまう。分かりやすい10年200本続けてきたとかは本当に小さいことだと思います。今日のこのあの舞台に立てたということは、去年の5月以降ゲームに出られない状況で、それを最後まで成し遂げられなければ、今日のこの日はなかった。記録はいずれ誰かが抜いていくと思う、去年の5月からシーズン最後までのあの日々はひょっとしたら誰もできないかもしれない、ささやかな誇りを生んだ日々だったですね。どの記録よりも、自分の中ではほんの少しだけ誇りを持てたと思います。